うつ病に伴う勃起障害(ED)は、うつ病自体、または、その治療薬である抗うつ薬によって発症していることがあります。

ストレスも関係しています。

「勃起障害とうつ病」

■うつ病について

うつ病とは、気分障害の中で中心的な位置を占める疾患で、精神医療領域の疾患のなかでも高頻度で発症し、しばしば社会的な問題にもなります。 その成因には、心理的仮説と生物学的仮説があります。 心理的仮説では、几帳面なメランコリー親和型性格などの元々の性格に、ストレスなどが加わることで発症するとされています。 生物学的仮説は、セロトニンなどの神経伝達物質や、脳下垂体などの内分泌器官の障害などが関連し、発症するとしております。

■勃起障害との関係

うつ病に伴う勃起障害(ED)は、うつ病自体、または、その治療薬である抗うつ薬によって発症していることがあります。 その関係は根深い事が多く、治療やコントロールに専門性が必要とされることが多くなります。 通常の心因性EDは、いわゆる「朝立ち」が正常同様に見られる場合に多いとされています。しかし、うつ病が原因の場合は、心因性EDに見られるこのような減少が少なくなるとも言われています。 うつ病が進行した患者は、抗うつ薬による病状のコントロールが必要になります。

しかし、原因がうつ病によるのか、 抗うつ薬の副作用(薬剤性ED)によるのか、わかりにくいことがあります。 また、うつ病の患者は、EDが発症したとしても、EDを自分の生得的な欠点のようにとらえてしまう傾向があります。さらに、そのこと自体が自信を喪失させてしまいEDを悪化させます。 一方、抗うつ薬による薬剤性EDの可能性が大きい場合でも、EDを改善しようとして、抗うつ薬の自己中断など危険な状況を招く場合がございます。

「治療について」

■EDはうつ病により、性的情動を抑制されていると考えられています。

抗うつ薬の場合、勃起中枢である視床下部の働きが不十分になると考えられています。従って、可能であるなら、薬剤の減量や、EDの可能性の少ない抗うつ薬への変更が検討されます。 しかし、抗うつ薬で、性機能へ影響を及ぼさない薬剤は少なく、また、薬剤の変更が、うつ病に影響を与える可能性も有ります。

また、抗うつ薬の無理な中断は、うつ病を悪化させる可能性があります。 なお、抗うつ薬の使用中に、ED治療薬を並行して服用することは可能です。 従って、抗うつ薬の無理な減量を図るより、ED治療薬を選択してEDを治療することを検討することが重要です。服用中の抗うつ剤とED治療薬の兼ね合いの判断や、薬用量調整には、専門知識が必要になります。 抗うつ薬、うつ病によるEDの場合は、うつ病の治療中であると、受診時にEDクリニックへ伝えることが大切です。

「勃起障害とストレス」

■勃起障害とストレス

勃起障害(ED)には「心因性ED」「器質性ED」「混合性ED」「薬剤性ED」などの区別があります。 特に、ストレスが影響してくるのは心因性EDです。心因性EDの原因は現実心因や深層心因があげられます。 現実心因は、日常のちょっとしたことがストレスとなり、それが原因でEDを起こす場合のことをさします。

例えば、パートナーの女性からの精力に対する言葉の衝撃や暴力でEDになってしまうことがあります。また、結婚生活でパートナーとうまくいかない、経済的なストレスがある、毎日疲れている、など自分自身でほぼ原因に見当がつくものが現実心因です。この場合、カウンセリングや薬の服用で簡単に治ることもしばしばです。 深層心因は、日常生活には特に心理的ストレスはないものの、幼児期の体験や性的トラウマなど過去の出来事が原因となり、心の深層にある原因がEDを起こす場合です。そのため、治療には長期間を要する場合もあります。

「ストレスの原因」

■具体的にEDに影響を与えるストレスは、日常生活の様々な部分にあります。

具体的には、過労や睡眠不足、様々な心配事、経済的不安、仕事のトラブルなど身の回りのストレスがEDの原因となります。また、性的な面では、初体験や結婚初夜での失敗、包茎や短小へのコンプレックスも原因となります。 従って、自分自身に影響を与えているストレスを一つずつ整理し、ストレスの解消を心がければ、EDに対する不安も薄らいでいきます。 EDに影響を与えているストレスは絶対に解決ができないことではなく、周囲のサポートがあれば改善できることです。

■治療法について

EDの治療には、専門医から処方されたED治療薬を用います。ED治療薬は医師の指導のもとで服用すれば、大変効果的で安全な薬剤です。 一方、ストレスがEDの大きな原因となっている場合は、精神安定剤をあわせて服用することも可能です。また、カウンセリングを行なっている病院もあるので、心理的な安定を図るために活用できます。まずは、専門医の診察を受けることで、より適切な治療方法で早期にEDを克服することが可能です。 また、ストレスによるEDの解決には、パートナーの協力が欠かせません。EDのストレスがかかっているのは、パートナーも同じことです。自分ひとりの問題として抱え込まず、パートナーと二人三脚で対処することが必要です。ただし、ED治療薬に頼るだけでは、お互いの充実した性生活や幸せにはつながりません。二人で話し合い、時間をかけて治すことも大切です。
中央クリニック