糖尿病は自覚症状が無いまま症状が進行する病気です。

糖尿病は神経障害を発症しやすいため、勃起障害に繋がる可能性が大きいです。

「勃起障害と糖尿病」

■糖尿病の症状

糖尿病は自覚症状が無いまま症状が進行する病気です。原因は遺伝もありますが、食べ過ぎや飲み過ぎ、肥満、運動不足、ストレスなど、現代人の生活習慣が主な発症原因となります。 糖尿病は様々な合併症を引き起こすため、大変危険な病気です。主な症状として、視力が弱まり、失明の危険もある「糖尿病性網膜症」、腎機能が低下し人工透析を受ける必要も出てくる「糖尿病性腎症」、そして「糖尿病性神経障害」です。 この中で勃起障害(ED)と深く関係するのは、糖尿病性神経障害です。

■勃起障害と糖尿病

糖尿病性神経障害は、高血糖状態が続くことにより、血管障害で血液の流れが悪くなったり、神経障害が起こったりすることです。勃起障害の原因もこの二つの関連が大きいと考えられます。 陰茎内部には、海綿体というスポンジ状の組織があります。海綿体は性的刺激などを受けると、自律神経の働きで内部の動脈が拡がり、多量の血液が送り込まれて、スポンジが膨らむように膨脹が始まります。同時に、海綿体内の血液の出口にあたる静脈が、海綿体自体の膨脹により圧迫されて血液が流れにくくなります。

こうして海綿体は、血液が溜め込まれて膨脹した状態を維持します。これが勃起状態です。 糖尿病で血管障害や神経障害があると、この一連の現象がスムーズに起こらず、全く勃起しない、起勃しても硬さが十分でない、起勃が長く続かない、などの症状が現れます。 健康な男性でも高齢になるにつれ血管障害、神経障害が進み、少しずつ勃起能力が衰えてきます。しかし、糖尿病では障害のスピードが加速され、高頻度に高いレベルの勃起機能低下が起きてしまいます。

「治療法について」

■ED治療薬を用いることで

糖尿病が原因によるEDも5~7割の人が改善できます。しかし、EDを改善するには、ED治療薬の使用だけでは不十分です。まずは、糖尿病予防と同様に生活習慣の見直しが重要です。他には、不規則な生活やストレスなどもEDの原因となります。 また、パートナーとの性交が上手くいかず自信を失い、心因性のEDへとつながる可能性もあります。

パートナーとも病状についてよく話をして、一緒に解決の方法を探ることが不可欠です。 EDの治療にあたっては、糖尿病の病状をよく把握することが必要です。糖尿病は心臓の病気も併発していることが多くあります。その場合は、ED治療薬の服用が血圧を変動させ、心臓に負担をかけることがあります。自己判断でED治療薬を選択せず、必ず医師の指導のもとで薬を服用しなければなりません。糖尿病と勃起障害は気がつかないうちに進行します。早めに専門医に相談することが大切です。

「勃起障害と不妊症」

■不妊症とは

不妊の定義は、「避妊をしていないのに12ヶ月以上にわたって妊娠に至れない状態」とされています。また、不妊というと女性のイメージが強いですが、不妊の原因は男性にもあります。不妊は、男性側に問題があるケースが約40%、女性側に問題があるケースが40%、両性に問題があるケースが15%、原因不明な場合が5%あるとされています。 従って、不妊症は男性にも大きく関わっている問題であり、「男性不妊症」として対処が必要です。主な原因として、「乏精子症、無精子症、精子無力症」などがあります。実際は、これらの造精機能障害(精子を造る能力自体が低いか全く無いもの)と呼ばれる症状が、男性不妊全体の90%以上を占めます。

■不妊症との関連性

一方、勃起障害(ED)は、射精障害とともに「性機能障害」として区分されます。勃起不全は、「性交時に有効な勃起が得られないために満足な性交ができない状態」、「通常性交のチャンスの75%以上で性交ができない状態」をさします。 勃起は、脳からの性的な刺激が神経を伝達し、陰茎に伝わることで起こります。その際、陰茎海綿体の動脈が広がって、スポンジ状の海綿体が大きくふくらみます。この状態が正常な勃起です。 しかし、EDの場合は動脈の拡がりが不十分で、十分な血液が動脈に流れ込みません。

また、勃起につながる神経のどこかにダメージを受けていて、硬くなるのに時間がかかったり、勃起が十分続かなかったりします。 このような状態では、性交そのものができないので、結果的に不妊へとつながります。 しかし、日本では1,000万人以上がEDの患者と言われています。その点では特殊な病気ではなく、治療方法や薬も確立されています。

「治療について」

■EDは主に

「器質性ED」、「心因性(機能性)ED」、器質性EDと心因性EDが絡み合って起こる「混合型ED」、「薬剤性ED」にわけられます。 それぞれに原因はありますが、重要なことは生活習慣の見直しです。飲酒、喫煙、ストレス、運動不足など様々な点で生活を見直す必要があります。さらに、糖尿病、高血圧、高脂血症などの生活習慣病にかかると、EDになるリスクはより高くなります。

治療にあたっては、一般的にED治療薬を用いておこないます。ただし、服用にあたっては、使用条件や薬の飲み合わせなど確認が必要ですので、自己判断せず専門医に相談することが大切です。 なお、ED治療薬は陰茎の血行促進を促す薬であり催淫剤ではありません。従って、外部からの性的刺激なしには勃起しません。不妊症の治療にはパートナーの協力が不可欠です。ED治療薬だけに頼るのではなく、ED治療、不妊克服にむけてパートナー、医師との話し合いが重要です。
中央クリニック