「勃起の硬さスケール(日本語版EHS)」によると、勃起の硬さは0~4段階で表すことができます。

勃起には硬さ指数というものが決められているのです。

「正常時の勃起の成り立ち」

■勃起の仕組み

正常な勃起には、神経と血管が深く関与しています。性的刺激が脳からの信号により、神経を介して陰茎に伝わると、陰茎海綿体(いんけいかいめんたい)の動脈は拡がり血液が流れ込みます。そして、陰茎が太く長く硬くなって、上向きに立ち上がる現象のことを勃起といいます。 陰茎の内部は、2本の「陰茎海綿体」と、1本の「尿道海綿体」からできています。海綿体というのは、細かい糸のような血管が集まってできたスポンジ状の組織です。

勃起による陰茎の変化には個人差がありますが、ふつう、太さも長さも平常時の1.5倍から2倍になります。また、勃起した時には、陰茎だけでなく、陰嚢や精巣も上に上がってきます。 以上から、正常に勃起するためには、「視覚・触覚の刺激を感じる"脳"が正常であること」、「脳で受けた刺激を伝達する"神経"が正常であること」、「血流を確保する"血管"が正常であること」、「勃起状態を維持する"海綿体"が正常であること」が必要になります。

「勃起の硬さ」

■勃起には硬さ指数というものが決められています。

「勃起の硬さスケール(日本語版EHS)」によると、勃起の硬さは以下のようにわけられます。

・グレード0:陰茎は大きくならない。
・グレード1:陰茎は大きくなるが、硬くはない。<硬さのイメージ:こんにゃく>
・グレード2:陰茎は硬いが、挿入に十分なほどではない。<硬さのイメージ:みかん>
・グレード3:陰茎は挿入には十分硬いが、完全には硬くはない。<硬さのイメージ:グレープフルーツ>
・グレード4:陰茎は完全に硬く、硬直している。<硬さのイメージ:りんご>

正常な勃起ができなくなると、グレード1や2になってしまいます。グレードが低くなってしまう理由には、加齢、喫煙習慣、生活習慣病があります。

■ED治療と勃起

勃起障害(ED)の場合、動脈の拡がりが不十分で、十分な血液が動脈に流れ込まなかったり、勃起につながる神経のどこかにダメージを受けていて、硬くなるのに時間がかかったり、勃起が十分続かなかったりします。 しかし、ED治療薬の効果は、あくまで陰茎への血流改善を促すことであり、催淫剤ではありません。従って、ED治療薬を飲むだけで正常な勃起が得られるわけではなく、性交時の精神状態やパートナーとの関係も大きな影響を与えます。 以上から、正常な勃起を得るためにはED治療薬に頼るだけではなく、生活習慣の見直しや、ストレスをためないこと、パートナーとの良好な関係を築くことが重要です。

「勃起の硬さ指数について」

■硬さ指数

上記のようなグレードという呼び方で、硬さを表す表記があります。 勃起には硬さ指数というものが決められています。これは米国において開発された、自己診断型の「勃起の硬さスケール(EHS: Erection Hardness Score)」です。これは0~4の5つのスコアで判定ができ、勃起障害(ED)の簡易的診断や治療の効果を評価するツールとして簡便かつ信頼性が高いことが示されています。 これを元にして2009年に開発されたのが、日本語版EHSです。これは0~4の5つのスコアで判定ができ、EDの簡易的診断や治療の効果を評価するツールとして簡便かつ信頼性が高いことが示されています。

4段階の硬さの目安をフルーツなどに例えて考えると、イメージしやすく、より正確なセルフチェックが可能です。 なお、製薬会社の調査によれば、EDを意識するのは40才からです。40才以上の約7割が勃起時の硬さに自信がなく、性交時に十分な勃起の硬さを得られずに失敗した経験があります。 従って、男性の性機能は年齢とともに低下していくものであり、EDのリスクも高まります。これは本人の自覚症状にもあらわれてきます。ただし、「勃起の硬さスケール」でのグレード1、2だけでなく、グレード3でも治療によってグレード4に回復する可能性があります。EDは年齢だけの問題ではないので、まずは専門医に相談することが大切です。

いつまでも現役でいたいものですが……

■勃起の硬さが失われるのは、年齢の影響だけではありません。

喫煙習慣や生活習慣病とも大きな関連があります。 喫煙本数が「1日2箱以上」と回答した人は、グレード2、グレード1の割合が高く、グレード4の割合が低くなっています。また、喫煙本数が多いほど、勃起時の「自信がない」と回答しています。 同様に、血圧、コレステロール、血糖値が高めと診断された人では、診断されていない人に比べ、グレード2、グレード1の割合が高く、グレード4の割合が低くなっています。 EDの原因は生活習慣と大きく関わっています。年齢に関わらず、生活習慣を見直すことでEDのリスクを減らすことができます。さらに、仕事やプライベートのストレスを減らすことも、非常に重要です。 なお、これはあくまでセルフチェックです。気になる点があれば、まず専門医に相談することが必要です。
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