日本で「バイアグラ」を正規に入手するためには医師の処方箋が必要になります。

EDが気になり始めたら、専門医に相談することと、生活習慣を見直すことが一番大切なことです。

「勃起障害と民間療法」

■主な民間療法

精力増強として一般的に知られている食物として、ウナギ、にんにく、スッポン、高麗人参、マカなどがあります。これらの食物は栄養やビタミンを豊富に含んでいるので、ある程度の体調の改善につながる点では効果があります。また、「栄養ドリンクを飲む」、「焼肉を食べる」といった行為は、心理的にプラスの影響を与えます。 しかし、これらの食物を摂取することが、勃起障害(ED)治療に直結するわけではありません。逆に、大量に摂取することが、身体に悪影響を与える可能性もあります。 また、精力向上をうたった精力剤やサプリメントもあります。

ただし、これらも医薬品でないことが多く、効果については不明な点が多くあります。高価であるからといって、効果も高いとは言えません。広告やインターネット上ではEDに効果があるとされる、食品やサプリメントが紹介されています。しかし、使用に際してはあくまで自己判断・責任となります。その点に関しては十分に留意する必要があります。 なお、EDの原因には生活習慣が大きく関わっています。不規則な生活、食事、飲酒、喫煙、運動不足なども影響しており、まずは自分自身の日常生活を改善しなければなりません。また、糖尿病、高血圧、高脂血症などの生活習慣病はEDに大きな原因となります。 安易に、食品やサプリメントに頼る前に生活習慣を見直す方が重要です。

「治療について」

■ED治療には、医師から処方されるED治療薬が有効です。

日本で「バイアグラ」を正規に入手するためには医師の処方箋が必要になります。また、健康保険の適用外で自由診療(保険外診療)のため、各医療機関によって価格が異なっています。価格は1錠およそ1,500円程度となっています。 安価なバイアグラのコピー品は、インターネットなどで個人購入できますが、その成分については保証されません。また、形や色も正規のバイアグラと非常に似ており、見分けが難しくなっています。 正規の「バイアグラ」として販売されていても、中身が本物であるとは限りません。

医薬品成分の含有量にばらつきがあったり、全く含有していないものがあったりします。 自己責任と割り切って、個人購入する選択もありますが、非常に危険な行為であることを十分に認識する必要があります。最悪の場合、重篤な健康被害や死亡に至ることもあります。 EDは医師の適切な指導のもとで、ED治療薬を服用することにより、大きく改善することが可能です。EDが気になり始めたら、専門医に相談することと、生活習慣を見直すことが一番大切なことです。

「勃起障害と脊髄損傷」

■脊髄損傷について

脊髄を含む中枢神経系は末梢神経と異なり、一度損傷すると修復・再生されることはありません。現代の医学でも、これを回復させる決定的治療法はありません。 脊髄損傷は損傷の度合いにより、「完全型」と「不完全型」に分かれます。「完全型」は脊髄が横断的に離断し、神経伝達機能が完全に絶たれた状態であり、「不完全型」の場合は脊髄の一部が損傷、圧迫などを受け、一部機能が残存するものをさします。脊髄は損傷箇所が上に行くほど、障害レベルは高くなります。 仙骨以下の損傷では排泄、勃起などの機能に支障をきたします。

■勃起障害との関係

正常に勃起するためには、「視覚・触覚の刺激を感じる"脳"が正常であること」、「脳で受けた刺激を伝達する"神経"が正常であること」、「血流を確保する"血管"が正常であること」、「勃起状態(ED)を維持する"海綿体"が正常であること」が必要になります。脊髄が損傷して神経が傷ついている場合、これは脳からの神経が遮断されていることになります。つまり、脳からの命令が行かず、性的な刺激も陰茎海綿体に血流を送る脳からの命令も途絶えます。 このようEDのことを、器質性EDと呼びます。器質性EDは血管や神経の障害、陰茎の外傷などで身体的に勃起自体が困難になる症状です。

「治療について」

■脊髄損傷によるEDは器質的な問題だけではなく

精神的なED(心因的ED)ももたらします。一般的に、心因性EDは自慰では勃起するものの、パートナーを前にするとうまく勃起できない症状です。原因として、子作りへのプレッシャーや家庭内でのストレス、過去のセックスの失敗体験など精神的要素が考えられます。 脊髄を損傷した原因が交通事故や不慮の事故など、突然の出来事が原因である場合、大きな精神的ダメージが残ります。このことが心因的EDの発症へと導くことがあります。 事故の後に後遺症が残った場合は、精神的につらい日が続きますので、精神的ケアが大切です。このような状態では、パートナーやまわりの方の支えが大切になります。

状態によっては、ED治療薬の効果がでる場合もあります。また、様々な器具を用いて、人工的に勃起状態を作り出すことも可能です。脊髄損傷の程度によっては、体外受精の選択肢もあります。どの方法を用いるか、専門医と相談しながら対処していくことが必要です。 しかし、EDも重要なことではありますが、まずは自分の状態を受け入れ、可能な限りリハビリをすることが第一となります。EDについては冷静に判断し、対処できるようになるまで、時間をかけて考えることも大切です。
中央クリニック