更年期障害と聞くと、女性ばかりが症状を訴えるようなイメージがありますが、男性にも更年期障害があります。

高血圧などの問題も、勃起障害と関係しています。

「勃起障害と更年期障害」

■男性の更年期障害

男性にも女性と同様に更年期障害があることが広く知られるようになってきました。学会では最近、LOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)という表現が採用されました。LOH症候群とは、加齢に伴う身体の変化により現れる諸症状をさします。それらは男性ホルモンの低下により生じるものですが、ストレスやうつ病など複数の要因が複雑に絡み合って起こります。

加齢による様々な身体の変化やストレスが、この諸症状の原因となります。若い人ほどストレスの影響が強く、年齢が増すにつれて男性ホルモン低下による症状が強く出てきやすいといえます。 精神・心理症状の症状としては、「落胆、抑うつ、いらだち、不安、神経過敏、生気消失、疲労感」。身体症状としては、「関節痛、発汗、ほてり、睡眠障害、記憶力低下、集中力低下、陰毛の減少」といったものがあげられます。

■勃起障害との関係

性機能関連症状としては、「性欲低下、勃起障害(ED)、射精感消失、オーガズムの低下」などがあげられます。症状の一例としては、起床時の勃起、いわゆる「朝立ち」がポイントとなります。朝立ちが1ヶ月以上ない場合は、糖尿病などの内科的な病気も疑われます。まず、更年期障害と勃起障害が、密接に関連していることを認識する必要があります。

「治療について」

■症状や内分泌学的検査値に応じて

男性ホルモン補充療法やED治療薬を用いることもあります。また、精神神経科による専門的な治療が必要な場合もあります。 一方、生活習慣を見直すことで、更年期障害やEDを改善することができます。主にバランスの良い食事、運動、良質な睡眠と適度なアルコール摂取です。また、運動不足は肥満、動脈硬化、糖尿病といった生活習慣病を引き起こします。これは勃起障害の大きな原因となります。 更年期障害の出た男性の中には、「眠れない」、「長い睡眠をとっても疲れがとれない」 といった症状が出てくることがあります。

睡眠時は、交感神経が休み、副交感神経が少し働いた状態が理想です。更年期障害は、自律神経の働きが悪くなった結果、交感神経が睡眠中に休めなくなってしまったことが原因となります。 同様に、アルコールを飲んで寝た場合にもこれと似たことが起こります。アルコールを飲んで寝た場合、交感神経も副交感神経も休んでしまいます。従って、目覚めのときには交感神経と副交感神経の両方が起きてしまします。自律神経の調整のために、アルコールで眠る習慣は避けることが大切です。 更年期障害を上手く乗り切るようにすれば、勃起障害の改善にもつながります。

「勃起障害と高血圧」

■高血圧の影響

高血圧は自覚症状がないものの、虚血性心疾患、脳卒中、腎不全などの発症リスクとなります。また、生活習慣病のひとつであり、肥満、高脂血症、糖尿病との合併が起こりやすく大変危険です また、これらの生活習慣病は勃起障害(ED)の大きな原因となります。EDは「心因性ED」「器質性ED」「混合性ED」「薬剤性ED」などの区別がありますが、高血圧は器質性EDに大きく関わってきます。

■勃起障害と高血圧の関連性

勃起は、性的刺激が脳からの信号により神経を介して陰茎に伝わり、陰茎海綿体の動脈が大きく拡がり血液が流れ込むことによって起こります。これが正常に勃起している状態です。 しかし、糖尿病、高血圧、高脂血症などの生活習慣病にかかると、スムーズに勃起が起こらなくなります。 特に、高血圧症は主として動脈硬化を悪化させ循環障害をきたす血管の障害が中心となります。

血管がストレスで損傷を受け硬くなったり狭まったりすることで、陰茎への血流が抑えられます。その結果、勃起に障害が発生します。 また、降圧剤による副作用もEDの原因となります。降圧剤はもともと血圧を下げる薬ですが、その副作用が悪く作用すると勃起不全につながります。中高年の世代にある高血圧の男性であれば、その一割ぐらいの人々が勃起不全を体質として持っているともいわれています。

「治療について」

■高血圧症の治療には薬を用いることが主ですが

多種類の血圧降下薬が使用されていることが多くあります。ED治療薬は、極度に血圧の高い場合は服用する事ができません。従って、血圧を下げるための降圧剤を服用しなければなりません。 しかし、降圧剤を服用しながら、ED治療薬の併用することは大変危険です。勃起不全対策として安易にED治療薬を用いると、降圧剤の効果が阻害され、結果的に非常に重篤な状況を招きます。ED治療薬には血圧を下げる効果があります。降圧剤とED治療薬の併用は心臓などの臓器に対する負担が大きく、高血圧を治療する上で問題となる場合もあります。

以上から、ED治療薬に頼っているだけでは、十分な効果が得られません。また、専門医の診断と指導を受けずに、ED治療薬を使用することは大変危険です。必ず、薬の重複について確認をした上で、治療を進める必要があります。 なお、ED治療の基本となるのは生活習慣の改善です。日頃から、不規則でアンバランスな食事、運動不足、喫煙、暴飲、休養不足などを改善することが必要です。また、仕事やプライベートでのストレスもEDの原因となります。ストレスを溜め込まず、上手く発散することも大切です。
中央クリニック